畳表の原料として県が独自に開発した優良イ草「ひのみどり」が、県の許可なく中国で栽培、違法に「逆輸入」される懸念が解消されていないとして、国内栽培面積の9割を占める八代地域の生産者らが近く、県など関係機関に水際の取り締まり強化を要請する。中国での栽培はこれまで既成事実とされていたが、日中間の5月の貿易協議などで中国側が現地での栽培を事実上認めたため、「海賊版」の輸入防止策の徹底を生産者自ら訴える。(具志堅直) 「中国でまだ80ヘクタールも栽培されていることが明らかになった。これが違法に輸入されないとも限らない。生産者としてはこれ以上放置できない」 今月5日、八代市の八代地域農協本所であった「い業部総会」。同市長田町でイ草約1・8ヘクタールを栽培する副部長の下永辰也さん(50)はこう警戒を呼びかけ、約50人の出席者は行政に対して対策を促すことを申し合わせた。 2001年に県が品種登録した