鹿児島市で09年、高齢夫婦を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた同市三和(さんわ)町の無職、白浜政広被告(71)に対する裁判員裁判で鹿児島地裁(平島正道裁判長)は10日、無罪(求刑・死刑)を言い渡した。裁判員裁判で死刑が求刑された被告に無罪を言い渡すのは初めて。今後の裁判員裁判に大きな影響を与えそうだ。 10~11月に▽東京▽横浜▽仙台▽鹿児島▽宮崎--の5地裁で相次いで死刑求刑があり、無期懲役とした東京を除く3地裁が死刑判決を選択していた。このうち無罪主張は鹿児島だけで、検察側と弁護側が全面対決していた。裁判日程は11月1日の選任手続きから40日間に及び、裁判員裁判で最長だった。 白浜被告は09年6月18日夕~19日早朝ごろまでの間、同市下福元町の蔵ノ下忠さん(当時91歳)方に侵入し、金品を奪う目的で忠さんと妻ハツエさん(同87歳)の頭や顔をスコップで多数回殴り、殺害したとして起訴され