青緑色のツインテールをなびかせた「電子の歌姫」が、21世紀の音楽を変えた。 バーチャル歌手、初音ミク(16)。身長158センチ、体重42キロ。といっても、これらはすべて歌声合成ソフトの架空のキャラクター設定だ。 【写真】クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長 歌声合成ソフトは、歌詞とメロディーをパソコンに入力すると、歌声が出力される仕組み。ヤマハが開発した「ボーカロイド(ボーカル・アンドロイド)」という音声合成技術を利用し、実在の声優、藤田咲さんの声が使われている。 初音ミクが世に出たのは平成19年。その完成度と、二次創作を可能にしたことで、国内外のクリエイターがこぞって楽曲やイラストを発信した。 インターネットを中心に「ボカロ」という新たな音楽ジャンルが生まれ、楽曲を作る「ボカロP(プロデューサー)」出身の米津玄師さんや音楽ユニット「YOASOBI」が現実のヒットチャートを席巻