「誰にも相談せず1人でやった」。中国漁船衝突の映像流出事件で、流出を告白し、警視庁の取り調べを受けている神戸海上保安部所属の海上保安官(43)には各方面から擁護や英雄視する声が上がり、一躍“時の人”となった感すらある。一体どんな人物なのか−。 海保関係者によると、保安官は関西の大学を卒業後、海上保安学校に入り、中途採用の形で海保職員になった。 2003年度から小松島海上保安部の予備員、2004年度からは姫路海上保安部で巡視艇の航海士として勤務。韓国語ができ、国際捜査などにも携わり、今年、神戸海上保安部の巡視艇「うらなみ」の主任航海士となった。いわゆる“現場畑”を歩んできた人物だ。 「まじめで気さく」「仕事は優秀だった」。保安官を知る同僚や上司は異口同音にこう話す。 「非常に優秀な部下だった。自分の任務に誇りを持ち、どんな状況でも決して弱音を吐かなかった」 かつて上司だった元海上保