人を攻撃することがあまり好きではない性分なので、この話題はずっと避けていたのですが、もうみんな忘れた頃だろうと思いまして! 昨年の「今年の漢字」にも選ばれましたし、流行語大賞のトップテンにも入選したのが「絆」(きずな)でした。 ところが、巷に「絆」が氾濫することに反感を抱く人も中にはいたようで、様々な意見が飛び交っていたことを皆さんも記憶しているでしょう。「絆」を嫌う理由はいろいろありましたし、そのこと自体を問題視しているわけではありません。私が「んー」と思ったのは、「絆」に対する反撥を説明するのに、漢語「絆」の原義や和語「きずな」(きづな)の原義を取り上げた人が(少なからず)いたことに対してでした。曰く、「絆」(きずな)とは、元来、家畜や罪人を拘束するための綱のことである、と。切りたくても切れない束縛、強制的な束縛、それが絆である、と。そこから日本人気質論や現代日本文化論に飛躍した人もい