ひさびさに見た田中宏紀作画無双。立体的なカメラワークに合わせて爆発を手描きで作画してみせたり*1、ミカサが反射的に反撃した時にステップをふんで体勢を立て直すような細かな芝居作画をしたり、巨人の髪が細かくなびく特徴的な作画をしたり…… はっきりいえば、設定の整合性は良くない。よく脚本面で批判されている『革命機ヴァルヴレイヴ』*2よりも悪いくらいだ。偵察や通信が全く行われないまま敵の正面に飛びこんで敗北しても、世界が残酷なのではなく組織が無能なだけという印象を持つ。 ガスの補給場所が一箇所にしかないという目標設定も不合理で、物語の都合としか感じられない*3。ガスを長期保存することが困難で、ガス採取している井戸の上に補給基地を作るしかなかったとか、一言でも説明があれば納得できたかもしれないのに。 だが、アニメは映像表現であって、設定は素材のひとつにすぎない。アニメーションとして生々しさが充分に表