「青春ヘラ」は、2021年6月12日に大阪芸大哲学コミュニティすみれの会の織沢さん、京都大学感傷マゾ研究会の竹馬くんと共にツイキャスで行った対談企画で初出した言葉である。 とはいえ、言語化したのが初めてと言うだけでこの構想自体はずいぶん前から頭の中にあった。感傷マゾを知った上でこの新たな概念を作らざるを得なかった理由は、他でもない私が感傷マゾに対して完璧に符合する人間ではなかったからである。 まず一番の問題は、感傷マゾを自分に当てはめた際の「マゾ」性の希薄さであった。確かに、自分が感傷的になって自傷行為を重ねることに快感を見いだしていることは間違いない。しかし、そのマゾヒズム的な快感の得方が、従来の感傷マゾの語り手であった上の世代と比べると微妙に違うように思い始めた。 さらに、マゾヒズムの研究と称してジル・ドゥールズの『ザッヘル=マゾッホ紹介』のレジュメを読み進めていくうちに、自分が真にマ
