元厚労省「指導医療官」から言われたこと この本を執筆中、厚生労働省で指導医療官(保険診療の取り扱いや診療報酬請求の内容などについて指導・監査を行う)として勤務していたある医師と、電話で話す機会があった。その医師は私が「保険料が高い」とこぼすと、「僕たちからみれば自分の社会保険料を払っている上に税を通じてそちらにも払っている。国保は社会保険加入者からもサポートされていることを理解してほしい」と言われた。 どういうことかというと、国保は保険料だけでは各自治体が運営できないため、一般会計からも補填している。いってみれば企業に勤めている被用者保険に入っている人の住民税から国保を支援しているのだ(これを「一般会計法定外繰入れ」という)。 社会保険加入者から集めたお金をそっちにまわしている、税を入れているんだから……とその医師は繰り返し言った。言葉の裏には、言い方は悪いが「お前らのために俺らがどれだけ