こうした事実を連日報道で目の当たりにしながらも、日本人はどこか「そうは言っても日本は技術大国だから」と考えている節がある。しかし本書を読めば、それはただの希望的観測でしかないのだと思い知らされる。我々一人ひとりに「知財コミュニケーション力」が圧倒的に欠如しているために、知らず知らず、本来競争力の源泉となっていた技術力を公開し、外国に無償提供してしまっているというのが日本の現状なのだ。 あなたは特許さえ取ってしまえば、自分のアイデアは安全だと思ってはいないだろうか。実際のところ、特許申請されたアイデアは一定期間後、問答無用でインターネット上に公開される。著者は特許の落とし穴と、それにより弱体化してきた日本の現状を、なじみ深い事例とともにわかりやすく説明するとともに、特許や知財コミュニケーション力を戦略的に使って企業が成功する方法を紹介してくれる。特許・知財に関わる方だけでなく、あらゆる業種・