むかし、「ブロブ 宇宙からの不明物体」というB級映画があった。正体不明のぶよぶよした肉塊が人間を食べて巨大化していくというホラーSFだが、いろいろな意味で後味の悪いラストが印象的だった。 映画のブロブほどダイレクトには恐ろしくないものの、フリーソフトウェア/オープンソースの世界にとっては大変な脅威なのがバイナリ・ブロブ(binary blob)だ。対応するソースコードが入手できないオブジェクトコードを総称して、こう呼んでいる。まあ、この定義だとプロプライエタリ・ソフトウェアのうちソースが入手できないものはすべてバイナリ・ブロブとなってしまうのだが(そして別にそれでも間違いではないが)、特に「バイナリ・ブロブ」として言及される場合には、多くの場合大規模な実行形式のプログラムというよりは、無線LANやソフトモデム、グラフィックスなどある種のハードウェア用のファームウェアやカーネルモジュールのよ