「過去にしがみついて前進するのは、鉄球のついた鎖をひきずって歩くようなものだ。」 これは20世紀米国の小説家ヘンリー・ミラーの名言である。 「過去に固執してはいけない。そこから離れて、何か新しい事を始めてみよう」という意味合いだが、そんなことは無理。過去という鎖を外す事は出来ない、束縛する中指の鎖である。 時間の流れは不可逆的であり、歳を取ってしまうと手に入れられないモノ。 それは青春 それは制服デート それは学校からの帰路、夕焼け色に輝くきみの笑顔 何一つ手に入れる事が出来ず、何もかも経験する事が出来ず、土手下にあるプランターをどかしたらワシャワシャ動き出す蟲のような存在だった学生時代。 今では灰色の社畜生活を送り、心身ともに疲れた時に「THE・青春」を謳歌している学生さんを観た時は無性に泣きたくなってしまう。 「あれは、僕がどう足掻いても手に入らないもの」 その現実をまじまじと実感して