「自家焙煎はやっぱり違う」「豆はエチオピアでね……」なんぞと最近、コーヒーをめぐる話は細かいことになっている。そもそも「こんなに苦いものをなぜ?」と最初に飲んだ時に思った人も多いのではなかろうか。コーヒーがこれほど愛されるようになった背景を知りたい――そんな人は、この文庫から入ると良いかもしれない。アメリカで1935年に出版された『All About Coffee』という伝説的バイブル、百科事典のごとき古典的名著を抄訳、再編集しての新訳の登場だ。 著者はアメリカ人で、1837年生まれのウィリアム・H・ユーカーズ。販売業者向けのコーヒーやスパイスに関する業界専門誌で編集者として働いた後、30歳を前にして、自ら『ティー・アンド・コーヒー・トレード・ジャーナル』を1901年に創刊し、編集長に就任する。1905年にはコーヒーに関して本をまとめる下調査として、世界中を1年かけて旅をした。 向かったの
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