ロシアの若者のあいだで「クロコダイル」と呼ばれる合成麻薬が爆発に流行している。連邦麻薬流通取締局が昨年11月に発表した推計で、常習者は10代や20代の若者を中心にロシア国内で25万人。実際にはその数倍に上るとの報道もある。 ヘロインを上回る勢いで拡大 ロシアといえば、もともと世界最大の麻薬消費国のひとつ。政府の推計では常習者は250万人に上る。これまでロシアで最も多く使用されてきたのは、アフガニスタンから流入するヘロインだが、クロコダイルはそれを上回る勢いで拡大している。ロシア紙「ノーヴィエ・イズヴェスチヤ」の昨年11月8日付インターネット版記事では、過去2年間に国内各地で新たに麻薬中毒患者となった者の90%がクロコダイルの常習者だとするロシア人口学研究所の統計を明らかにしている。 この麻薬の正式な名称は「デソモルヒネ」という。医療用にアメリカで開発されたものだが、いつ頃からロシアで使われ
