震災後の仙台を訪問してきた。市街地から海に向かって歩いた。 土地の形や残った基礎などから、住宅が並んでいたとか田んぼが広がっていただとかはなんとなく想像できるが、どういった町並みだったのか、どういった暮らしが営まれていたのかはまったくわからない。そんな有り様だった。外からやってきた自分が見ることができたのは、津波が町を襲った後の姿だけだ。 でもここに住んでいた人は違う。かつて在った風景を知っている。だからこそ、受けた衝撃はきっと僕らには計り知れないものだろう。 道には砂埃が舞うのを防ぐために水が撒かれていた。がれきのなかで絶え間なくユンボが動く。採石場を思わせるような広い集積場に、たくさんのダンプトラックが木材などを運んでいく。3月11日から1カ月半。相当量のがれきが片付けられているはずだが、傍目には全く終わりのない作業が続いているようにも見え、なんとも言えない気持ちになった。できるだけ早
