必ずしも非合理的ではない「買いだめ」と「風評」 震災直後、都内のスーパーやコンビニから米やカップラーメンが消えた。それだけでなく、トイレットペーパーや乾電池など生活必需品があっという間に買われた。この買いだめ行動は「身勝手だ」「非合理的(無意味)である」と世間から強い批判を受けた。しかしこれは本当に身勝手・非合理的といえるのだろうか。 余震の確率が高く、原発事故まで起きた中で、自分や家族の身を守る行動に出るのは当然であり、必ずしも非合理的なわけではない。ただし、ヨウ素入りうがい薬や昆布までが店頭から消えるのは明らかに非合理的である。支援物資の集積地には十分な物資があるのに、そこから避難所まではなかなか届かないと言われていた。これは輸送の問題であって、必ずしも品不足ではなかった。 政府は「非合理的」な買いだめ行動を慎むように、繰り返し訴えていたが、消費者が非合理的だと断罪する前に、物資やロジ