「あ、ダメダメ! ちゃんとお水で飲まないと効果がなくなるよ」 つい先日、花粉症用の鼻炎薬をお茶で飲もうとしたら、その場に居合わせた友人にそうたしなめられた。 確かに、水以外のもので薬を飲むと効果がなくなるというのは、幼いころからなんとなく耳にしてきたことではある。けど、それって本当なのだろうか? 医療ジャーナリストにして医学博士の森田豊先生に聞いてみた。 「確かに以前は、薬の中でも鉄剤(貧血治療用の薬剤のこと)について、お茶に含まれるタンニンが鉄分の吸収を抑制してしまうといわれていました。ところが近年になって、お茶に含まれるタンニンは少量で、そのような影響があるわけではないことが判明したので、気にする必要はない、というのが最新医学の常識となっています」 実際、森田先生もわりと最近まで、患者さんに「鉄剤はお茶で飲まないように」と指導していたそうだが、現在は定説の刷新に合わせてあらため