人の言葉を理解する米IBMの認知型コンピューター「ワトソン」。米国生まれで母国語は英語だが猛勉強によって日本語を習得し、三井住友銀行から「内定」を得た。クイズ番組に興じていたワトソン君が、年内にも銀行マンとして日本で働き始める。ビッグデータ分析などで質問の答えを導き出す「ATMの手数料を知りたいのですが」。銀行のコールセンターには日々、あいまいな質問が寄せられる。引き出しの手数料か振り込みの

あるときは銀行の窓口業務をこなし、あるときはがん患者の治療方針を提案し、あるときは独創的な料理を作る――。米IBMの「Watson」が提供するアプリケーションはあまりに多彩で、捉えどころがない。 Watsonとは、いったい何を指す言葉なのか。IBMは、クイズ王を破ったこのコグニティブ(認知)システムを、どうビジネスに結びつけるつもりなのか。英語向けのWatsonを日本語に対応させることは、本当に可能なのか。 これらの問いに最も適切な答えを返せるのは、Watson Groupの指揮を執るIBMシニア・バイス・プレジデントのマイク・ローディン氏だろう。 ローディン氏は、Software Solutions Groupの責任者だった2011年半ば、クイズ番組「ジョパディ!」でWatsonがクイズ王を破ったシーンをテレビで見て、思わず「I want that!(これが欲しい!)」と叫んだという。翌
メガバンクで、日本IBMの質問応答システム「Watsonテクノロジー(Watson)」を実用化する動きが広がっている。まずは、リテール向けのコールセンター業務に投入する。オペレーター業務の効率化と品質の向上で成果を挙げたい考えだ。 三井住友銀行は2014年9月よりWatsonのPOC(Proof of Concept、新しいコンセプトを実証すること)を実施。既に、実用化のメドとしていた正確さの水準をクリアしているという。みずほ銀行は2015年2月にも神奈川県のコールセンターで部分的に導入し、来夏には全席に展開する予定だ。 質問・回答の候補を表示 「ネットバンクは誰でも利用できますか」。銀行のコールセンターには、こうした質問が日々寄せられる。オペレーターは電話応対の中で顧客が知りたがっている内容をくみ取り、問答集や業務マニュアルを調べて回答する。Watsonが担うのは、オペレーターがスムーズ
「今日の夕飯、何を作ろうか……?」と悩む自炊派や、「夕食なんでもいいよ」と言って奥さんに怒られている“お父さん”に朗報だ。コンピュータが料理のレシピを教えてくれる時代は、すぐそこに来ているかもしれない。 人間の話し言葉を分析し、データを蓄積することで自ら“学習”するスーパーコンピュータシステム「Watson」。この開発を手がけるIBMは、Watsonを活用した料理のサポートアプリケーション「Chef Watson」を開発。この英知を料理に活用する動きを進めているのだ。 Chef Watsonは膨大な料理のレシピデータを基に、ユーザーが提示する材料やイベント(ランチ、冬、クリスマスなど)といった条件に合ったレシピを提示してくれる。どの食材の組み合わせが良いかを分析し、未知の組み合わせと味わいを提案するという。 このChef Watsonと一流シェフがタッグを組んだらどんな料理ができあがるのか
IBMが脳からヒントを得た「ニューロシナプティック・コア」を持つ半導体を正式に発表。量産化のめどがたったことで、「ニューロシナプティックスーパーコンピューター」の実現が期待される。 米IBMは2014年8月7日(現地時間)ニューロシナプティックコンピューターチップ「IBM SyNAPSE」を正式に発表した。製造はサムスン電子の28nm製造プロセスを採用している。リアルタイムオペレーション時の消費電力は70ミリワット。100万個のプログラム可能な「ニューロン」と2億5600万個のプログラム可能な「シナプス」、そして毎秒毎ワット460億の「シナプティックオペレーション」を実現する。 SyNAPSEは、われわれがよく知るノイマン型コンピュータとは全く異なるアーキテクチャを採用しており、スケーラビリティにおいては実質的に無限の拡張性を持つものになる。一方、アーキテクチャが全くことなることから、その
技術的特異点は近い? コンピュータプログラムが「ウクライナ在住の13歳の少年」になりすまして見事に人間を騙し、世界で初めてチューリングテストに合格しました。合格したのはロシア人のVladimir Veselovさんとウクライナ人のEugene Demchenkoさんが率いるエンジニアチームにより開発された、Eugene Goostmanくんという設定のプログラム。先週の土曜日、レディング大学主催によりロンドンで行われた「Turing Test 2014」にて、合格点である33%の審査員に人間だと思わせることに成功したんです。 チューリングテストはコンピュータの基礎を築いたことで知られるアラン・チューリングさんの名前から取られました。テストはスクリーン越しに文字だけのチャットで行われ、5分以内に30%以上の人間に「これはコンピュータプログラムではない」と思わせることができれば合格なのですが、
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