『21世紀の資本』が世界的なベストセラーとなり、一躍有名になったフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏〔AFPBB News〕 トマ・ピケティ氏のベストセラー『21世紀の資本』には、富がいよいよ一部に集中するようになったもう1つの先進国として日本が登場する。 日本は間違いなく、この本がよく売れているもう1つの先進国だ。ピケティ氏は先日東京を訪れ、熱烈な歓迎を受けた。 だが、日本は同氏の理論が最も当てはまらない場所かもしれない。 日本の富の格差は決して大きくない 1991年の日本の資産バブル崩壊は、この国の富裕層が米国や多くの欧州諸国ほど多くの財産を築かなかった理由の1つだ。日本の富裕層上位10%が保有する富の割合は、ノルウェーやスウェーデンなど平等主義で有名な国よりも低い。実際、クレディ・スイス・リサーチ・インスティチュートが調査した46の経済国・地域の中で下から2番目の低さで、唯一ベルギー