蜻蛉日記 最古の断簡発見 鎌倉時代の作、3葉目(1/2ページ)2009年7月16日14時58分 発見された「蜻蛉日記」の断簡=池田和臣氏提供 女性の日記文学の先駆けとされる「蜻蛉(かげろう)日記」は藤原道綱の母の作。平安時代中ごろの954〜974年の記録だが、現存する写本は江戸時代以降がほとんど。鎌倉時代の作で、現存最古とされる絵巻物の断簡が2葉知られていたが、その3葉目が見つかった。 3葉目の断簡は、東京の古美術市場に出た古筆(こひつ)手鑑(てかがみ)(断簡を集めたアルバム)の中の1枚だった。中央大の池田和臣教授(平安文学)の研究で明らかになった。用紙のサイズや模様、筆跡、文字の配列の特徴などから「間違いありません」という。 歌集や絵巻物などを切断したのが断簡。暮らしに困った公家が家宝を切り売りした名残ともされる。古筆切(ぎれ)とも呼ばれ、茶室の掛け物や書道の手本などに珍重されてきた。