
JR東日本の深沢祐二社長は6日までに産経新聞のインタビューに応じ、同社が展開する交通系ICカード「Suica(スイカ)」で、現状よりも導入費用を大幅に軽減する簡易版の新システムを早ければ来年度中にも導入する方針を明らかにした。現在、東北地方などJR東管内でもスイカ未導入エリアがあるが、簡易版で管内全域での導入を想定する。 政府がキャッシュレス化を推進していることに対応し、スイカを利用できる環境を大幅に増やし、交通機関や小売業での採用を進め、決済機能などの社会共通基盤としての存在感を高める狙いだ。 現在のスイカは自動改札での使用を前提にしているため、カードと端末機間のデータのやりとりを高速でさせる。端末機には高度の処理能力が欠かせず、端末価格が高価になっていた。その結果、駅での導入は利用者の多い首都圏や仙台圏などに限定されている。 深沢氏は、「クラウド技術を使い、端末側で情報を持たないシステ
(前回から続く) 1995年末,JR東日本の会議室は重苦しい空気に包まれていた。 同社は1995年4月から10月まで,自動改札機の第二次フィールド試験を実施した。非接触ICカード導入の可否を決める重要なテストである。結果は芳しくなかった。ゲートが誤って閉じる「通過阻害率」は数%。磁気カード式改札機の4倍と高い。試験の責任者であるJR東日本の椎橋章夫と三木彬生にとって,この値は「失敗」を意味した。首都圏では, 1分当たり60人以上もの乗客が改札機を通る。この値では大渋滞が起きかねない。 椎橋は,乗客の動きをビデオで分析した結果を示した。 「カードをかざす時間が0.2秒を切る乗客がかなりいる。カードの処理時間を何とか0.1秒に縮めたいが…」 ソニーの日下部進が口を挟む。 「開発中のチップは処理性能を4倍に高めていますが,通信速度は変わりません。正直,0.1秒は至難です」 三木はため息をついて天
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く