■ゴリラ女房[‐にょうぼう] ▽解説 沖縄県の「読谷村民話資料集」の一編として刊行された『儀間の民話』(昭和58年)には、大正五年生まれの話者による「ゴリラ女房」という民話が収録されています。 ある所に、島々を探検してまわる五、六人の若者の集まりがありました。 彼らはある時、川伝いに山奥へと舟を進め、宝物を求めて人跡未踏の深山に上陸しました。 一人が陸に降り立つと、突然大きなゴリラが現れて、彼を捕まえました。 肝を潰した仲間たちは、友人のことも忘れて舟を出し、一目散に逃げ去ってしまいました。 取り残された若者は、ゴリラに押さえつけられ、噛み殺されないようになすがままの状態。ゴリラの言いなりとなって、山奥へと連れていかれました。 ゴリラが「キャーキャー」と合図を送ると、仲間のゴリラたちが次々と姿を現しました。どうやら、若者を捕えたゴリラはボスや大将にあたる存在だったようです。 臣下のゴリラた