政府は東日本大震災で停止していた社会保障に関する集中検討会議を4月末に再開させる方針だ。ただ、震災復興を優先する結果、年金給付の抑制といった抜本改革の議論は停滞する懸念がくすぶる。高齢化に対応し、年金支給開始年齢を67~68歳に引き上げる改革を加速させる米国や英国、ドイツとの差は鮮明だ。日本は高齢化のペースが欧米より速く、対応が後手に回れば年金を支える現役世代の負担も加速度的に重くなる。(柳瀬和
地方議員年金の存廃を議論=民主PTが初会合 地方議員年金の存廃を議論=民主PTが初会合 民主党は14日午前、財政悪化が著しい地方議員年金制度について議論するプロジェクトチーム(PT、座長・小川淳也政調副会長)の初会合を都内で開き、制度の存廃などについて意見交換した。 都道府県、市、町村の各議会議員年金制度は、議員定数の削減や、市町村合併に伴う議員の減少などで財政が悪化。市と町村の積立金は来年度に、都道府県の積立金は2021年度にも枯渇する見通しとなっている。PTは今後、地方議員らから直接、意見聴取し、11月末をめどに結論を出す予定だ。(2010/10/14-11:40)
◇超党派議論、消費増税「共犯」狙い 政府が29日公表した年金改革の7原則からは、民主党が昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で示した「最低保障年金の財源は消費税」「保障額は月7万円」などの具体案が抜け落ちている。抽象的な表現にとどめた背景には、野党を年金改革の議論に誘い込もうという民主党の思惑がある。「年金改革に必要」として消費税率アップを打ち出し、自民党も増税の「共犯」に仕立てようという腹だが、奏功する保証はない。【鈴木直】 29日朝の「新年金制度に関する検討会」。出席者は関係閣僚ら政府側の面々ばかりなのに、菅直人首相は「党派を超えた国民的議論に基づき、改革を進めるのが望ましい」とあいさつし、自民党など野党側に協議への参加を呼び掛けた。 民主党が主張してきた改革案は、納めた保険料に応じて受給する所得比例年金を基本としつつ、消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、すべての人に月額7万円
河村たかし市長の音頭取りで始まった名古屋市独自の「宙に浮いた年金記録」の調査で、同市が調査を担当した802件のうち、64%にあたる515件の年金記録の持ち主が判明したことが明らかになった。市が把握している国民健康保険加入者などの電話番号が、割り出しに役立ったという。厚生労働省は、名古屋市の調査をきっかけに全国の市町村に電話番号などの情報提供を要請し、1181の市町村が協力予定という。河村市長は「名古屋が実現した大ヒット」と胸を張る。 河村市長は昨年9月、社会保険庁(当時、現・日本年金機構)のずさんな管理で持ち主不明となった「宙に浮いた年金記録」を市独自に調査することを表明。「ねんきん特別便」など旧社保庁の調査で確認が取れなかった市内在住の年金受給者約1400人、4千件を対象に、市が独自に把握している国民健康保険加入者などの電話番号を基に調査に着手した。 この絞り込みで、4千件中1083
地方議員が加入する年金制度の破綻(はたん)が迫り、総務省の地方議会議員年金制度検討会は21日、「廃止」「存続」両案を併記した報告書を原口一博総務相に答申した。廃止に言及したのは初めてで、2010年度の法改正に向け政府が検討する。参院選を控え、多くの地方議員の反発を招きかねない「廃止」に鳩山政権が踏み込むのか、判断が問われる。 「地域主権を掲げる我々の思いは一緒。皆さんから革命を起こしてほしい」。21日、地方議員年金の廃止を陳情した徳島県小松島市議7人に、民主党の佐藤公治副幹事長は前向きな考えを示した。 検討会が動きだした3月以降、同市議会が廃止論を主導した。同市は年金財政に1500万円を投入しているが、存続には上乗せが迫られることから、市議会は「市の財政が厳しい時に、これ以上、税金を投入すべきではない」と廃止を求める意見書を可決した。さらにこの7人は「先行きのわからない年金に、なぜ掛け
inside 産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。 バックナンバー一覧 会社が大きく傾き、国の支援にすがるしかない状況に陥りながらも、厚遇過ぎる企業年金の減額に抵抗する日本航空(JAL)のOBたち。 だが、上には上がいる。高額な年金給付を維持するために巨額の税金投入を平然と要求している人たち、地方議員である。 もともと特権的との批判が強い地方議員の年金制度だが、積立金が枯渇し、いまや破綻寸前。このため、総務省が廃止も含めた制度の見直し案を複数提示し、地方議員の代表らと議論を重ねている。JALの年金問題の陰に隠されてしまっているが、納税者として理解不能の協議が展開中だ。 地方議員年金は受給者にきわめて有利に制度設計されている。議員を12年務めると受給資格が生まれ、厚生年金や国民年金とのダブル受給もOK。議員
改めて読み返してみても、やっぱり何というか全体的に違和感のある東洋経済今週号。 周囲でもいろいろ話題になっていて、疑問点は大体共通している。 若干細かな話ではあるが、以下にまとめておきたい。 (72pからの特集、番号とサブタイトルは特集のもの) 1.「経済前提が甘い」 現行の制度は破綻するとした民主党の試算について、前提条件が厳しすぎるという 批判は一理ある。 (まあバラ色数値で試算をでっち上げてきた厚労省も人のことは言えない) が、だからといって現行制度が万全かといえば、それはまったく別問題。 既存の世代間格差に加え、保険料や国庫負担の段階的引き上げにはなぜか言及して いない。 「(保険料と国庫負担のダブル引き上げで)年金は万全ですよ!」 と言われても…。 2.「世代間不公平論」 世代会計は社会資本の受益や負担も考慮している。よって、「前の世代が整備した 都市やインフラで生活できるのだか
長妻昭厚生労働相は、社会保険庁の後継組織である日本年金機構を来年1月に発足させる方針を固めた。年金記録問題の解明のため社保庁を存続させることも検討していたが、機構の発足凍結に必要な法案の臨時国会提出を見送ることとした。これに伴い、社保庁は廃止される。 日本年金機構は、不祥事が相次いだ社保庁から年金運営などの業務を引き継ぎ、非公務員型の組織として新設される。民主党は年金保険料の徴収業務を国税庁と一本化させる「歳入庁」構想を掲げており、当分の間は年金機構が運営することになる。 機構には1千人を超える民間人の採用が内定しており、長妻氏は就任当初から「内定をなくすことはあり得ない」という姿勢を示していた。民主党内には「年金記録問題への社保庁職員の関与解明があいまいになる」と社保庁存続を求める声もあるが、内定者の正規雇用確保や追加採用、不動産契約などが進んでいることから、発足を先送りすることは難
長妻昭厚生労働相は17日午後、省内での初の会見に臨み、宙に浮いた年金記録問題の解決のため、新たなサンプル調査を指示したことを明らかにした。「解明済み」とされてきた死亡者の年金記録を調べ、遺族に受給権がないかどうか調べる。 民主党が政権公約に明記した生活保護の母子加算復活については「年内と言わずなるべく早く」と明言。廃止前の仕組みに戻すかどうかは今後詰めるとした。 また、全国精神障害者社会復帰施設協会の補助金不正流用問題についても、調査・報告を求めたという。 雇用や医療など課題が山積する同省のトップに就任したことについて長妻氏は「年金、雇用も含めてセーフティーネットを張りめぐらせることが重要。国が保障する最低限度の生活とは何か、具体的に決めることも目指したい」と抱負を語った。【野倉恵】
民主党は十四日、衆院選で政権についた場合、二〇一〇年一月に予定される社会保険庁から日本年金機構への年金業務移行を凍結する方向で検討に入った。衆院選マニフェストで年金問題への取り組みを「五つの約束」の一つに掲げているが、年金業務を移行して社保庁を廃止すれば、年金記録の関係資料が散逸したり、組織改編で責任の所在が不明確になり、問題解決が遠のく可能性が高いと判断した。 〇七年六月に成立した社保庁改革関連法は、社保庁廃止と業務移行による年金機構発足を一〇年四月一日までに行うと定め、政府は政令で発足日を一〇年一月一日に決めた。 これに対し、民主党は「看板の掛け替えにすぎない」として、年金機構への移行に反対している。マニフェストは「社保庁は国税庁と統合して『歳入庁』とし、税と保険料を一体的に徴収する」と明記。マニフェストの基になる政策集も「社保庁を年金機構に移行させることによって年金記録問題がうやむや
プロフィールバックナンバー 公的年金が消えていく?2009年8月5日15時24分 サラリーマンが加入する厚生年金が、なんと10兆1795億円の赤字に陥っていることがわかりました。厚生年金だけでなく、自営業者の国民年金も1兆1216億円の赤字です。 これほど膨大な赤字が出てしまった背景には、年金の運用を行っている年金積立金管理運用独立行政法人が、08年度だけで9兆6670億円もの損失を出したことがありました。 年金積立金管理運用独立行政法人は、年金ムダ遣いの象徴のグリーンピアをバンバンつくった年金福祉事業団としてスタートし、あまりにイメージが悪いので2001年に年金資金運用基金と看板を掛けかえ、さらに2006年に現在の名前に変わりました。 二度も看板を掛けかえたおかげで、利権まみれの年金福祉事業団のイメージは一掃されましたが、変わらないのは、厚生労働省の天下りの指定席であること。現在も、4人
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