文部科学省は三月三十日、来春から小学校で使用する教科書の検定結果を発表した。道徳心の養成や伝統文化の尊重などを「教育の目標」として盛り込んだ教育基本法改正に伴ひ、四十年ぶりに学習内容を増やして改定された新学習指導要領に基づく初の検定で、結果、道徳や伝統文化に関する記述が増えた。 その中で注目したいのは、神話や伝承、雅楽などが記載されたことだ。また、地域探訪の訪問先として「神社」を加へた教科書も多かった。 これらは戦後、「教育正常化」を叫び続けてきた斯界の長年に亙る活動が奏功したといへよう。しかし、現政権の支持基盤である日教組など一部組合のメンバーらを中心に、愛国心や伝統文化を教へることに拒絶反応を示す残滓が依然教育界に存在することも事実だ。我々は学校教育の現場で新教科書が活用され、どのやうな教育がおこなはれるかを注視するとともに、神話教育をはじめ、伝統教育の重要性を改めて啓発したい。