成田国際空港会社は、当初予定していた格安航空会社(LCC)専用ターミナルビルの平成23年度建設を見送る方針を固めた。年明けに策定する来年度事業計画に盛り込まず、24年度までの中期経営計画の中で改めて検討する。低料金で利用できるターミナル建設でLCCを積極的に誘致する計画だったが、複数の会社との交渉で想定以上の低料金を要求され、採算が合わないと判断した。 昨年10月に国際空港化された羽田やアジア諸国のハブ(拠点)空港との競争が激化する中、成田は高額な発着料や施設利用料がネックだった。専用ターミナルの見送りで空港間競争にさらに出遅れる懸念がある。 成田空港は昨年、発着枠拡大で周辺自治体などと合意。現在の年22万回から23年度中に25万回に、最終的には30万回まで増える。これに合わせLCCを積極的に誘致。既存ターミナルは収容力が限界に近く、低コスト運営のLCCには利用料が割高で誘致が難しいため、