高速道路の大幅値下げで利用が激減し、呉(阿賀港)と松山(堀江港)を結ぶ航路の6月末での廃止と会社の清算を発表した「呉・松山フェリー」(本社・呉市)。「経営努力も限界」と関係者は無念さをにじませた。決定で航路存続を支援してきた呉市や、利用客に波紋が広がった。 呉・松山フェリーは阿賀―堀江間の約37キロを約1時間50分で結び、3隻で運航。1964年に開業し、ピーク時の95年には約15万台が利用したが、06年のしまなみ海道の全線開通後、赤字に転落。燃料費高騰もあって昨年9月、経費削減のため1日9往復に減便した。 しかし、今年3月末、ETC利用車に対する高速道路の<休日1000円乗り放題>がスタート。4月の乗用車の利用台数は約1640台で前年同期の半分に、特に休日は6割減に。トラック、乗客数もともに、前年の4割減となった。 同社は大型連休後に航路廃止を決定。5月末までに中国運輸局へ航路廃止を届け出