クモの巣を見てその美しさと合理性に驚かない人はないだろう。現在地球には46000種を越すクモが存在しているが、ほとんどが何らかの形で糸で餌をからめとるのに使っている。 しかし今日紹介するペンシルバニア大学からの論文が私にとっては最初のクモの糸についての論文で、その想像を超える複雑さに驚いた。おそらく研究人口が少ないため、論文を目にする機会がそう多くないのだろう。タイトルは「The Nephila clavipes genome highlights the diversity of spider silk genes and their complex expression(ジョロウグモのゲノム解読によりクモの糸の多様性と複雑な発現が明らかになった)」で、Nature Geneticsオンライン版に掲載された。 もともとこの研究グループがクモの巣に焦点を当てて研究していたのかどうか把握して