大震災が起きると、いつも行政の対応が批判の的になる。曰く「被災者に情報が届かない」「役所は何をやってるんだ」といった形でだ。しかし、考えてみると、被災地の役所の職員も被災し、家族を抱え、眠れぬ夜を過ごしている。とくに今回の熊本地震は余震が長期にわたり、対応にあたる職員たちの疲労は限界に達した。 そんな厳しい状況の中、地震発生直後からSNSで、「被災地で何が起きているか」「いま、どんな支援物資が必要で、何がいらないか」の的確な情報を発信し続けた男がいる。 被災地・熊本から100km離れた福岡市の高島宗一郎市長(41)だ。彼のフェイスブックは数万人の人々にシェアされ、その呼び掛けに応じて必要な物資が福岡に集まり、いつのまにか「支援拠点」の役割を果たしていた。 決して危機管理の専門家ではない高島氏になぜ、そんなことができたのか。ジャーナリストの武冨薫氏が聞いた。 * * * 最初の地震が起きた4