昨日、居酒屋でたまたま手に取った本を眺めていたら、久しぶりに写研の書体『ルリール』に遭遇した。仕事柄、印刷物で使われている書体をなめるように見る癖があり、かつ〈リアルおニャン子世代〉であるわたしにとって、会員番号18番の永田ルリ子さんの手書き文字から生まれた『ルリール』は思い入れのある書体の一つである。 しかし、『ルリール』をはじめとして写研の書体はデジタルフォントにはなっていない(電算写植文字という意味ではなく、OpenTypeのような汎用のデジタルフォントではないということである)。「いったいどのように『ルリール』をDTPに?」と思って奥付を見たら…… 1993年発行 と書いてある。どうりで。 1993年といえば、MacintoshもQuadra 950とかⅡfxが最上位ランクとされており(本体だけで軽く100万円オーバー)デジタルフォントもまだまだ出揃っていない頃。印刷物の組版も写植