世界を変えた“黄金の10年” 「ポップ・カルチャーは、社会を映す鏡である――。」 田中宗一郎と宇野維正による共著『2010s』の帯には、こう書かれている。このコピーを見て、あなたはどう思うだろうか? 意外に思うだろうか。当たり前だと感じるだろうか。そして、この言葉に込められた“裏の意味”に気付くことはできるだろうか? 同書は、北米を中心にした2010年代のグローバルなポップ・カルチャーを論じた一冊だ。俎上に載せられているのは、音楽や映画やテレビシリーズ。 ある章ではレディー・ガガやビヨンセなどのポップ・ミュージックについて、ある章ではMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)などの映画作品について。ある章では『ゲーム・オブ・スローンズ』のようなテレビドラマシリーズについて、それらのシーンの動向とそれぞれの作品の意味合いと重要性が批評されている。またある章ではSpotifyやNetfli