2016年1月の総統選挙に勝利し、8年ぶりに政権交代を果たした台湾の蔡英文政権。5月の総統就任から3カ月経った現在、異例中の異例の人事を行い、話題となっている。8月25日、台湾の行政院(内閣)の政務委員に、有名なプログラマーであり社会運動家である唐鳳氏(35)が就任することが明らかになったのだ。 政務委員とは、日本で言えば閣僚級の職務。既存省庁のトップではないが、特定分野の業務を推進する必要性がある際に、省庁横断的な部署を置き、政務委員を任命することがある。今回、唐氏に与えられる肩書きは「デジタル総括政務委員」だ。 歴代閣僚の歴史で3つの“史上初” 唐氏の就任は10月だが、台湾社会ではこの人事の話題に沸いている。そうなるだけの十分な理由がある。唐氏は歴代閣僚の歴史を、二重、三重にも塗り替えたためだ。 唐氏が10月に就任すれば、閣僚としては史上最年少、そして初の中卒閣僚、さらには男性から女性
