2011年に地上波のデジタル化が完了したと思ったら、早くも巷の話題は4Kテレビに移った。4Kテレビは現行のフルハイビジョンより4倍の高解像度を持つ。 それどころか、家電メーカーは、8Kや16Kのテレビの開発を進めている。技術革新はとどまるところを知らない。テレビ局などの既存メディアは後追いするのがやっとだ。 「ニューメデイア時代なんて、本当に来るんでしょうかね」 ある民放のカリスマ経営者が、こう漏らしたのは1990年代半ばだった。放送記者を相手にした月例記者会見でのことだ。このトップは新しいメディアの定着に懐疑的だった。実のところ、その会見場の片隅にいた筆者も同じ考えだった。既存メディア側の人間の多くがそう思っていたはずだ。その読みが大外れしたのは言うまでもない。 ネット世代には原始時代の光景に映る、かつてのメディアの形 今やネットの世帯普及率は約9割。BS放送の視聴が可能な世帯も約8割に