私は、今から26年前に旧労働省に入り、役人として仕事を続けていましたが、1995年から98年の間に外務省に出向し、ブリュッセルにあるEU代表部という外務省の出先機関に行き、3年間ほど向こうの労働行政、労働組合、欧州労連の方々といろいろとお付き合いさせていただきました。その時の経験がなかなかおもしろいと思いまして、日本に帰ってそのことを本にしました。 その3年間、1995年から98年というのは、日本の社会の風潮が大きく変わった時期でした。行くころはまだそれまでの日本の延長線上のような感覚が強かったのですが、戻ってきた時は、これまでの日本的なシステムのあり方はだめだと、構造改革しなければいかんという風潮一色になっていました。 しかも、今までの日本的なやり方はだめで、アメリカ型にならなければいかんという議論が非常に強くなされていた。そういうところにヨーロッパから戻ってきて、ヨーロッパのいろいろな