公判中の被告が弁護人に宛てた手紙を、大阪地検が拘置所内を強制捜査して押収していたことが28日、分かった。被告側は身柄拘束中に弁護人と接見したり物をやりとりできる接見交通権の侵害だとして、国に慰謝料を求める国家賠償請求訴訟を大阪地裁に起こす方針。被告側弁護士は「弁護活動の『のぞき見』で、刑事裁判の根幹を揺るがす違法行為だ」としており、大阪弁護士会の支援も得て今春にも提訴したいという。 提訴するのは、大阪府柏原市のパチンコ店で平成20年に起きた強盗事件で、強盗罪などに問われた無職、石田利晃(としみつ)被告(41)=1審懲役10年、控訴。 2審で弁護人を務める山本了宣(りょうせん)弁護士によると、石田被告は捜査段階で強盗を自白したが、大阪地裁での公判中に否認に転じたため、検察、弁護側双方の主張を整理する期日間整理手続きが行われた。 地検は手続き終了翌日の22年7月2日、被告が勾留されていた大阪拘