「昨年までは(収益を上げる)良い子だったが…」 小型ディスプレー事業の不振で、2007年3月期は2期連続の最終赤字に転落するセイコーエプソン。3月14日、記者会見に臨んだ社長の花岡清二は無念さをにじませた。 エプソンはプリンターメーカーのイメージが強いが、携帯電話用など10インチ以下の小型液晶は世界シェアでトップ3に入る。携帯ブームに沸いた2000~01年頃には60%という圧倒的なシェアを誇ったこともある。 今期は406億円の特別損失を計上し、独自技術であるMD-TFD液晶(モバイル・デジタル薄膜ダイオード)から撤退。ディスプレー事業の解体とも言えるリストラを余儀なくされる。その理由については「年率3割という予想を超える価格下落の影響」を挙げるが、状況は他社も同じだ。 エプソンを独り負けに追い込んだ“時限爆弾”は、実は2001年頃に仕込まれていたとの見方が強い。それは花岡の前任者である草間