埼玉県飯能市にあるクライミングスポット「阿寺(あてら)の岩場」が年内で閉鎖されることになった。小鹿野町の二子山で発生したクライマーの墜落事故を巡る訴訟について知った土地所有者が、「事故が起きたら責任を負えない」として決めた。訴訟では「事故が自己責任かどうか」などが争点となっており、係争中の裁判が、首都圏から近く初心者も楽しめることで人気の岩場にも影響を与えた形だ。 阿寺の岩場は、近くに住む大野文雄さん(84)らが市の補助金などを得て、樹木を伐採したり岩についた泥を取ったりして3年がかりで整備し、2013年にオープンした。幅約50メートル、高さ平均20メートルほどの岩場は、傾斜もさまざまで初心者から中級者まで楽しめる。民間主催で講習会も開かれるなど、週末には20~30人のクライマーが訪れる。