「シュルレアリスム宣言」発表の頃のブルトン フランスの詩人アンドレ・ブルトンは、シュルレアリスムの定義を「純然たるオートマティスム(自動筆記)によって、心の真の作動を文章もしくは他の方法で、逐語的に表現しようとするもの。理性のおよぼすいかなるコントロールも受けることなく、またどのような美的道徳的配慮をも超越した、思考による指令」と説いています。(ヘイデン・エレーラ『フリーダ・カーロ』 249 頁) フリーダ・カーロは、ブルトンによってシュルレアリストの仲間入りを歓迎されますが、フリーダ自身は自らシュルレアリストであると自称したことはなく、こう明言しています。 「私はただ自分自身の現実を描いただけ」 フリーダにとって、絵そして日記は、ありのままの自身を受け入れた自己を映しだす鏡であり、内省する手がかりでした。そのため外側から芸術をとらえ、そのムーブメントの波に乗ろうなどと考えたことはなかった