長野県伊那市にある高遠城址公園の桜は「タカトオコヒガンザクラ」という品種で、少し赤みを帯びた小ぶりな花はまさに「可憐」という言葉がぴったりくる桜。ソメイヨシノとは違った魅力があります。高遠城址公園には約1500本ものタカトオコヒガンザクラが植わっており、公園内が桜で埋め尽くされます。 古くから「天下第一の桜」と称される高遠城址公園の桜をご紹介します。 三峰川と藤沢川の二つの川の合流付近のこの地に、かつては高遠城がありました。 古くは諏訪一族が支配していましたが戦国時代、武田信玄が侵略。武田氏の支配下になり、その後山本勘助が城を改修し、武田家滅亡後たびたび城主を変えながらも、城は江戸時代まで存続しました。 ところが明治になり政府より民間に「売却」された高遠城はその建物すべてが取り壊され荒れ放題に…。 その状況を見た旧高遠藩士が、桜の馬場(馬場とは馬の練習をするところ。江戸時代には馬場の堤によ