リーマンショックによる派遣切り等で職を失い、その後、仕事を得られず、住居を維持できなくなって路上に……ということは想像に難くない。しかし、若く働き盛りの、20代、30代の若者がなぜホームレス状態にまでなってしまうのか、疑問に思う人も少なくないだろう。 ここでは2008年~10年に実施した「若者ホームレス50人聞き取り調査」を参照しながら、「彼らはどこにいるのか?」「彼らはなぜ実家に帰らないのか?」「彼らはなぜ働かないのか?」という3つの疑問について考えていきたい。 そもそも路上で若者ホームレスを見かけたことがないという人もいるのではないだろうか? 彼らはどこにいるのか? ホームレス=路上生活者と思われがちだが、彼らは常に路上で過ごしているわけではない。これは中高年にも当てはまるが、特に若者の場合、路上よりネットカフェなどの終夜営業店舗で過ごすことを選ぶ傾向にある。 「どこで寝るかは懐次第。