前金融庁長官の氷見野良三氏が、次期日本銀行副総裁に就任することになった。氷見野氏は、2020年8月25日に東京で開催された国際会議「Blockchain Global Governance Conference(BG2C)」の閉幕に際し、Bitcoin(ビットコイン)の発明が本質的に人間社会の信頼にもたらす意義とその影響を問いかけるスピーチを行った。このスピーチは、ブロックチェーンに関わる人たちの間で大いに話題になった。 そして2023年3月10日、米Silicon Valley Bank(シリコンバレー銀行)の破綻に端を発して、ステーブルコイン「USDC」のデペッグ(ステーブルコインが法定通貨との連動を維持できなくなること)が発生し、暗号資産とブロックチェーンのエコシステムへの疑問が改めて投げかけられている。 あのスピーチから2年半経過した今、氷見野氏の問いかけは正しかったのか、あるいは
