Sebastian Doerr, José-Luis Peydró, Hans-Joachim Voth, “How failing banks paved Hitler’s path to power: Financial crisis and right-wing extremism in Germany, 1931-33“, (VOX, 15 March 2019) 近代史をつうじて金融危機の余波期には政治の分極化が繰り返し起きているにもかかわらず、経済低迷とポピュリズムの因果関係を示すエビデンスは僅かにしかない。本稿では、戦間期ドイツにおいて金融危機による窮状が極右勢力への投票を増長したことを明らかにしてゆく。銀行破綻に曝された町や都市の多くで、ナチへの投票が急増した。とりわけ、ユダヤ人頭取の率いるある銀行に露出していた地域では支持の増加が著しかった – ユダヤ人のネガティブな影響