「蟹工船」の次はマルクスが見直されているらしい。労働と貧困を巡る社会の不安はいよいよ深刻だ。マルクスといえば社会主義、そして共産党だろう。「マルクスは生きている」を出版した同党付属社会科学研究所長、不破哲三さん(79)を直撃した。【遠藤拓】 ◇その先、政党は不要 ◇ルールなき資本主義の不合理 ◇横暴と搾取を抑え一歩前へ --書店では不破さんの著書をはじめ、マルクス本が人気のようです。資本主義を否定したマルクスの本が、市場をわかせるのも皮肉ですね。 不破さん ふふふ。資本主義だから売れているんでしょう。世の中の不合理にぶつかった人たちが、資本主義の病理を分析したマルクスにひかれる。マルクスをありのままに見てもらいたいと思っていただけに、喜んでいます。 --マルクスの評価は時勢によっても変わります。世間は現金だと思いませんか。 不破さん 昔からマルクスに賛成する人もいれば、「資本主義の方がいい