本作には実在する人形たちのイメージで溢れている。そのイメージのあまりの膨大さにその全貌は何度も見なくては把握できそうにないが、一度見ただけでも印象に残る人形たちのイメージをチェックしてみた。(文:編集部) Part2「人形」編:「イノセンス」の人形たち球体関節人形は本作に大きな影響を与えている■ハンス・ベルメール/球体関節人形押井守監督が本作の製作にあたって意識したのがこれ。球体関節人形は、西洋に古くからある、身体の関節部分を球で接合して可動性を持たせた仕様の人形のこと。1902年生まれの人形作家、画家、写真家ベルメールがこの様式で作った人形は人体と機械の融合物の趣を持ち、シュールレアリストたちに絶賛された。押井監督によれば球体関節人形の魅力は、それぞれのパーツを接合する球体にある。「その本質は人間の体、肉体、身体の中に眠る論理――幾何学にあるのです」(オフィシャルサイトより)。 ■ラ・ス
