装丁家の川名潤がデザインしたことでも話題となった『扇子・オブ・ワンダー』 山口:「扇子・オブ・ワンダー」ですね。僕たちはファッションや雑貨の見本市は行くようにしていて、扇子を見かけた時に「扇子・オブ・ワンダー」を作ってみようとネットに書いたらすごくバズって記事にもなったりしたんです。そんなちょっとした冗談に乗ってくれる早川書房ファン、SFファンは多いのでありがたいですね。新作を出すたびに「おお、それかー」とSNSで反応してくれる。クリスティーのマグカップの場合、『ナイルに死す』には名探偵エルキュール・ポワロが出てくるから、トレードマークのヒゲのデザインを入れたけど、『そして誰もいなくなった』は登場しないからクリスティーのサインを入れました。そのようにミステリやSFの文脈があるとファンは楽しみやすいし、「しかたないから買ってあげよう、ポチるか」(笑)なんていってくださる。読者と交流できるし、