副作用に留意 少量から服用 うつ病に使う抗うつ薬を服用すると、10、20歳代の若者を中心に、自殺したいという衝動を引き起こすことがある、と指摘されている。薬との因果関係ははっきりしていないものの、専門家は「副作用に留意は必要だが、うつ病を治療しないことは危険。適切に服用することが大切」と話している。(利根川昌紀) うつ病は、気分が落ち込む抑うつなどの症状が表れる病気で、「死にたい」という考えが浮かぶこともある。こうした症状を改善するのが抗うつ薬だが、その薬でかえって自殺願望が起きるとは、どういうことなのか。 問題になったのは、1988年に米国で「SSRI」(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬が登場したのがきっかけだった。 SSRIは、従来の抗うつ薬に比べ、のどの渇きなどの副作用が少なく、急速に普及した。だが、米国で90年、「SSRIを服用中に強い自殺願望が起きた例があった」と