今や生活のあらゆるところに人工知能(AI)は入り込んでいるが、懸念されるのはAIが人の仕事を奪う時代の到来で、人間の仕事の半分は取って代わられるとの予測もあるほどだ。既に株式投資の世界では現実のものとなりつつあり、ゴールドマン・サックスでは99.7%のトレーダーがその職を失った。文=国際ジャーナリスト 戸田光太郎 金融業界でAIが果たす役割とは 残ったトレーダーはたったの2人 それは、今年1月ハーバード大学応用計算研究所主催の、経済に与えるITの影響に関するシンポジウム「2017 CSEシンポジウム」での発言だった。 「2000年の時点でゴールドマン・サックス(GS)のニューヨーク本社では600人のトレーダーが大口顧客の注文に応じて株式売買をしておりましたが……」と、GSのCFO、最高財務責任者に就任予定のマーティン・チャベスは言ったのである。「17年現在、本社に残るトレーダーはわずか2人
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