大橋流と伊藤流 将棋界では対局開始の前に、それぞれ20枚ずつの駒を並べます。 その際には、まず上位者が「王将」(王)を所定の位置に置くのが作法です。同様に下位者が「玉将」(玉)を置く。 あとは本来は、自由です。どう並べてもいい。 ただし、現在の棋士のほとんどは「大橋流」という並べ方をしています。 左右対称に置いていくと意識すれば、覚えやすいかもしれません。 少数派として「伊藤流」もあります。 こちらは少々複雑です。伊藤流の趣旨は、まず歩を並べることによって、飛角香が相手陣に直射しないようにする、という意味があるようです。 大橋と伊藤は、江戸時代に名人、高段者を輩出した、将棋を専業とした家の名です。両家では、そういう並べ方をしていたというわけです。 ご存知のない方は、映像で観ていただくのがわかりやすいでしょう。 将棋の中継で、対局開始前に互いに大橋流で並べていくのは、厳粛な儀式のように感じら