フランスに“輸出”される日本の漫画は、少年漫画や少女漫画だけではない。古典文学や伝記、哲学書などを漫画化した「学習漫画」が、続々とフランス語訳され、フランスの書店に並び、そして教育現場で用いられているという。 「漫画」の棚に並ぶ、ヴィクトル・ユゴーやフランツ・カフカの作品……。見間違いではない。書店によく行く人は、日本の漫画としては見慣れないタイトルがあることに気がつくだろう。 マキャヴェッリの『君主論』、カントの『純粋理性批判』、ガンジーやサン=テグジュペリ、クレオパトラなどの伝記。漫画出版社が子供向けに歴史や科学の入門書を刊行しはじめて10年近くが経つ。漫画は若い読者から特別好まれているジャンルだ。今日、彼らを取り込むために漫画ほど適した形式は他にないだろう。 この分野において、特に3社のシリーズが際立っている。まず、ソレイユ社は、プルーストの『失われた時を求めて』やマルクスの『資本論
