
トークセッション『新春座談会 このコンピュータ書がすごい! 2009年版』を終えて思い起こしたのは、『どすこい出版流通』の最後のエッセイ、「メディアとしての「出版業界」」でした。 出版業界はあまたある業界のなかで、業界自体がひとつのメディアとして機能し続けているというただ一点で異例である。出版社、書店、取次、そして著者や読者までもがこの壮大なメディアの構成者であり、そのメディアのなかで、自らのパフォーマンスに腐心し、成功に酔いしれ、そして失敗を繰り返す。見ようによっては、なかなかよくできた小宇宙だ。書店はその小宇宙にあって、もっともわかりやすい劇場性を持つ。なかなかよくできた仕掛けなのだ。ベストセラーが出れば店の一等地にドッサリと本が山積みにされるのも、もちろんそれを大量に売って得られる利益も重要だが(じつはそれほどの儲けはない)、話題の本が店頭で目立ってないことはメディアとして機能してい
先週やりかけていたエントリをやり直して完成させてみたでござるの巻 片山杜秀の本(2) 音盤博物誌 作者: 片山杜秀出版社/メーカー: アルテスパブリッシング発売日: 2008/05/24メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (32件) を見る先日読み終わった片山杜秀さんのCD評集がとてもおもしろくて、この本がすごいのは、レコ評だけで芸として成立していて、音を聴いてなくても、音楽家を知らなくても、まさにその音、その音楽家について書かれていることが腑に落ちて、クラシックってこんなにヘンテコな音楽なのか!と感慨を新たにできるというところなんだけど、やっぱり肝心の音盤を聴いてみないことには本末転倒なのでいつか聴くために全50回の各章で取り上げられていたCDの一覧をまとめてみた。 [1]小指の思い出 Piano Concerti 1 & 2 (Hybr) アーティス
Software Design 2009年1月号には、特別付録小冊子がついています。名付けて、「新人応援! SD執筆陣が薦めるこの1冊」。 この企画、「このコンピュータ書がすごい! 2009年版」の作業用MLでも話題になりまして、参考までに私も買ってみました。 Software Design (ソフトウエア デザイン) 2009年 01月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2008/12/18メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (16件) を見る この企画というか、選書についてはまた後で何か言うかもしれませんが、ここで書いておきたいのは宮原さん(OSCではお世話になっております)の勧める『エンジニアのための時間管理術』について。 この本、私も好きな本です。が、非常に残念なことに、私がこの本の中で一番好きなポイントが、この評には書かれていない
はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28
日本Rubyの会会長の高橋さんがジュンク堂のコンピュータ書籍の月間・年間ランキングをベースにこれはという書籍をオライリー、技評、オーム社と言った出版関係者に話をふりながら紹介する。しかも「5分でわかる2008年のコンピュータ書籍」みたいな勢いで2時間しゃべり倒す弾丸トーク(w。高橋さん楽しそう。 id:moroさん、shachiさん、松田さん、角谷さん、@artonさん、笹田さんなどの顔が見える。女性率が異常に高い。高橋会長ファン?(笑 ■2009.01.11追記 id:takahashimさんにご指摘いただいた点を修正した。 ジュンク堂トークセッション「新春座談会 このコンピュータ書がすごい2009」を参考に抜けていた書籍を補完した。やはり10冊以上漏れていた。Thanks! 帰宅してからの感想 角谷さんのご好意で参加できた。@kakutani++!!それにしても角谷さんの息子さんが「イ
オンライン書店ビーケーワン:ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003〜2008 http://www.bk1.jp/product/03028453 ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003~2008 作者: 岩田博出版社/メーカー: 岩田書院発売日: 2008/08メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見る歴史・民俗学の専門書を出版している岩田書院の、新刊ニュース「裏だより」の2003年〜2008年4月分までをまとめたのが本書。 「裏だより」は岩田書院のサイトに全て掲載されている。 2002年までの分は、「ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏」として出版されている。ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 作者: 岩田博出版社/メーカー: 無明舎出版発売日: 2003/07/10メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 97回この商品を含むブログ (3件) を見
とある事情でJ.C.Licklider の"Man-Computer Symbiosis"(人間とコンピュータの共生)を久々に読み返してみた。Bushの"As We May Think"と並ぶ、HCI論文の古典中の古典です。1960年に公表されている。これが今読んでみてもいろんな意味で面白い: Man-Computer Symbiosis (J. C. R. Licklider, IRE Transactions on Human Factors in Electronics, volume HFE-1, pages 4-11, March 1960) 当時の時代背景はというと、AIという用語が1956年に登場して、すでにコンピュータチェスやGPS (general problem solver)は発表されていた。初期のAIの成功事例から、かなり楽観的に人工知能の実現は可能だと思われていた
Made to Stick [http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/1400064287/]/ アイデアのちから 個人的には半年前くらいに読み終わっていて放置していたが、最近邦訳が出たのでレビューをしておこうと思う。アイデアを人に伝え、そのアイデアを人の頭に焼き付けるために必要な6つの要素を、以下のように分解し、事例とともに解説した本である。 Simple Unexpected Concrete Credentialed Emotional Story この6つの頭文字を繋げ、SUCCESsというわかりやすい単語で表現している。まあ、この語呂合わせもMade to Stick戦略の一貫だろう。ただし、SUCCESsといっても別にそれぞれの要素が明確に分類されているわけではい。ConcreteはCredentialedであるために必要
教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書 作者: ばるぼら出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2005/05/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 20人 クリック: 455回この商品を含むブログ (332件) を見る2005年5月に出版された日本のインターネットの草創期からの歴史を振り返る壮大な読み物。1992年からの日本におけるインターネットの動きが詳細に記されており、読み通すのに時間が掛かってしまった。 主として個人の情報発信メディアとしての様々な動きや事件が記されているため、企業における導入事例等は少ない。 日本におけるブログサービスの導入にあたっては、このはてなダイアリーが2003年の初頭にベータテストを立ち上げており、最も早いことが分かる。 惜しむらくは、インターネットの前段階としてのパソコン通信の歴史がないことかと思っていたら、最終章に1976年以降の動
I decided to resume this blog. At the beginning of this week, both Mochio Umeda and Dan Kogai, who are ones of most famous blogger in Japan, mentioned a new non-fiction entitled "日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で" (in English, can translate "When Japanese Language Falls - in the Century of English Language") written by Minae Mizumura. This book is buzziest Book in Japan's Blogosphere. It suddenly got 1st positio
私には、英語コンプレックスがある。 米国で暮らすようになって三年が経ったけれども、いまだに思うように英語で話すことができない。むしろ、三年も経ってしまったのにこんなザマでどうしよう、という焦りからか、そのコンプレックスは肥大化を続ける一方である。 昔からそうだったわけではない。高校時代には普通科ではなく「国際科」と名のついたクラスに通い、カナダにホームステイなんかもして、試験でも一番いい点が稼げる得意科目が英語だった。むしろ、ちょっとばかり英語には自信があったほうなのである。 そのことは、私が幼い頃パソコン少年だったことと少し関係がある。当時から、コンピュータの世界の中心といえばアメリカだった。プログラミングをしていても、関数につけられた名前の英語のニュアンスがわからずに丸暗記せざるをえなかったのが、意味がわかってしまえばパァッと視界が開けて概念間のつながりや命名規則が見えるようになり、英
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く