東京都に生まれ育った奈穂子さん。自分の血液型は「A型」。その事を奈穂子さんも周りの人達も全く疑っていなかった。1996年、奈穂子さんは 20歳で結婚、間もなく妊娠。しかし、妊娠4か月目の定期検診の時、思いもしない事が。採血検査の結果、奈穂子さんの血液型は「判定出来ない」という。唾液による血液型判定を受けた結果、なんと「あなたの血液型は【ABモザイク】です」と告げられた。ABモザイクとは、体の中に血液型の異なる2種類の赤血球が混在する突然変異で、その割合は数十万人に1人ともいう。奈穂子さんの場合、A型の血小板や血漿を輸血すれば、体内のAB型が反応。血が固まる「凝集(ぎょうしゅう)」や、赤血球が破壊される「溶血(ゆうけつ)」が起きる危険性が考えられた。医師には、念のため今後はAB型だけを輸血するよう言われた。 しかし、奈穂子さんの血液型はこれで確定したわけではなかった。「ABモザイク」と診断さ