手描きの地図を広げ、ニューギニア戦の体験を語る中野清香さん=長崎県長与町の自宅で2023年5月23日、國枝すみれ撮影 104歳の中野清香(なかの・きよか)さんは「地獄」を知っている。約80年前、そこにいたからだ。 水たまりに頭を突っ込んで倒れている兵士がいた。まだ生きているのに、誰も助け起こさない。 ウジがわく死体の隣で眠っても、死臭が気にならなくなっていた――。 「戦争が終わった時、喜怒哀楽の感情がすっかり抜けていた。今考えると、とても恐ろしい」

ウクライナにおける危機の発生は、戦争なんてめったなことでは起こらない、とタカをくくっていると危ないんだな、と改めて確認させられますね。確かに、世界大戦規模のものを想像するなら、めったに発生するものではないでしょう。しかし、19世紀、20世紀と比べてみても、2001年以降の約10年で戦争が減っているわけではないんです。大規模なものだけでもアフガニスタン、イラク、ダルフール、東ティモール、イスラエルとパレスチナ・レバノン、グルジア、リビア、シリアなどで戦争が起きています。むしろこのペースで行くと、「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀よりも戦争の数だけ見れば21世紀の方が上回るかもしれません(2度の世界大戦を経験した20世紀と単純比較はできませんが)。 数え切れないほどの戦禍を経験しておいて、なぜいまだに戦争がなくならないのでしょうか。理由のひとつは、戦争が起きる「動機」が昔からほとんど変わっていな
ソチ・オリンピックにおいて、バイアスロン女子リレーでワリ・セメレンコ選手らのチームが金メダルに輝きました。それらのに、彼女たちの国のオリンピック委員会の会長のコメントは「今は祝杯を挙げるようなときではない」でした。 彼らの国、ウクライナは動乱の渦中にあり、多くの犠牲者が出たばかりだったからです。さらには今、ウクライナという国家は分裂の危機にあります。ウクライナのアワコフ内相は「これは軍事侵攻であり、占領だ。あらゆる国際条約に違反し、主権国家に対する直接的な挑発だ」とロシアを非難しました。 (引用元:ロイター) そこに見えるのは、21世紀になっても変わることのない、国益と暴力の世界です。 古典的な勢力圏を争い グローバル化が進み、物流やインターネットで世界の市民がつながった今日では、国境や国家の意味が昔にくらべて希薄になっています。国際社会は国家中心から、多国籍企業やNPO、さらには影響力
Twitterで徴兵制導入すべし、という意味不明の発言を最近よくみるようになった。基本的に、ただの若者には根性や防衛意識が足りないなど、無責任な発言によるものが大半だ。ただし知的な関心もある。徴兵制をいまの日本に導入すればどうなるだろうか。それをポール・ポーストの『戦争の経済学』を利用して簡単にみておく。 最初に結論でいうと、いまの日本に徴兵制をひくと、1)防衛力が低下する可能性、2)若い世代の人的資本の蓄積が歪む(ムダが発生)する可能性があるということだ。 ポーストの本は、主に徴兵制からAVF(総志願軍)への転換という先進国の主流の流れを分析したもので、日本の一部の無責任な論説のように徴兵制への転換とは異なる。なのでこのポーストの視点を逆転させる必要がある。 まず総志願軍の場合は、他の公務員の賃金やまた民間の賃金との競合を考えなければいけない。それに対して徴兵制は基本的にその問題はそれほ
太平洋戦争が始まる直前の1941年10月に制作されたのがこの「POST-WAR NEW WORLD MAP」。内容は、第二次世界大戦後の世界がどうなるのか描いたもので、フィラデルフィアの地図職人モーリス・ゴンバーグが1942年にカラー印刷して店に張り出していたもの。ヘレン・サマーズという人が地図の意義を認めて数枚購入し、現在も最初に印刷されたもののうち一枚がワシントンD.C.の連邦議会図書館に一つ所蔵されているそうです。 地図には詳細に計画が書き込まれており、下側には新世界秩序(New World Order)のための米国の政策などが含まれていますが、計画の一次資料は見つかっていません。 いったい、戦後世界はどのように計画されていたのか、詳細は以下から。 まず、全体はコレ。青い色で塗られている部分はアメリカとその保護国、ピンク色はソビエト連邦です。 北米はアメリカ一色。カナダ、メキシコや中
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